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十二音技法で遊ぶKONTAKTスクリプトを作りました

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1オクターブ内にある12の音をなるべく均等に使うことで、調性音楽にはない響きを作り出すのが「十二音技法」です。適当に鍵盤を弾くだけで十二音音楽が鳴らせるスクリプトをKONTAKTで作ってみました。DTMでKONTAKTを使う方(多分体験版でも大丈夫なはず)オンリーという少し限られた環境ではありますが、それなりに遊べますので楽しんでいただければと思います。

私はプログラミングを年に数回しかやらないため、マニュアルを一生懸命見ながらやっとの思いで完成にこぎつけたという状況です。素人ですからソースコードに色々甘いところがあると思いますので、そこはご容赦ください。

十二音技法を用いた一連の楽曲は、「なんだかよくわからない、不気味な音楽」という評価になりがちですが、当時の作曲家がどうやって調性の縛りから脱却するか、その試みを知る手がかりとして面白いですし、現在でもホラー、ミステリー、ゲームの戦闘音楽などでときどき使われる手法で、案外身近なところに存在しています。

十二音技法の概要は別ページで解説いたしますので、ここではスクリプトの使い方だけご説明したいと思います。

使い方

KONTAKTの既存のインストゥルメントに上のスクリプト(KSPファイル)を読み込みます。できればプログラムの複雑ではない、ちょっと古めのピアノ音源などに使うと誤作動なく動きます。KONTAKT Player対応の一部の音源ではプログラムの中身にアクセスできないものがあり、このスクリプトは使用できません。

まずスクリプトのファイルを、KONTAKTのプリセットのあるフォルダに移動します。例えばWindowsの場合パスは、ドキュメント - Native Instruments - Kontakt - presets - Scripts、とたどっていきます。

次にKONTAKTを起動し、スクリプトを適用したい音色をロード。左上のスパナのアイコンを押して設定画面を出したら、右上Script Editorをクリック。Presetの中から先ほどのスクリプトをロードします。

KONTAKTにスクリプトをロード

もしこの作業が面倒であれば、KSPファイルをメモ帳などで開いてコードをコピーし、KONTAKTのスクリプトエディタに直接貼り付け、Applyボタンを押す方法でもOK。この際は、スクリプト(またはNKIファイル)を保存することをお忘れなく。

これでスクリプトが読み込まれました。次にインターフェイスの使い方です。

設定画面

スクリプトを読み込むと、画面中央に12個のつまみが現れますが、これが音列を作り出すつまみとなります。特に何もしなくても、ロード段階ですでに音列がセットされています。

十二音技法スクリプトの設定画面

画面下のRandomizeボタンを押すと、12音を1個ずつ並べたランダムな音列を生成することができます。Presetボタンからは、シェーンベルク等が実際に作曲に用いた音列を選ぶことができます。

実際に鍵盤を押さえると、つまみで指定された音列をもとに、音高が変えられた状態で音が鳴ります。初期状態では、音列の向きやピッチを変えた派生型もランダムに選ばれる仕様となっていますので、音列そのままの音高で鳴るわけではありません。

音列の向きについては次の4種類があり、どれが選ばれているかは画面上部左で表示されています。

音列の4つの形

もしわかりにくければ、PRIME Onlyボタンを押すと音列の基本型だけが鳴るようになりますのでお試しください。

音列のピッチを変えた「移高型」については、画面上部右で表示されます。Transposed +3とあれば、音列全体が半音3つ分上がっているということになります。Transpose ONボタンをオフにすると移高が行われなくなりますので、こちらも使ってみてください。

12回鍵盤を弾き、音列のすべての音を使い切ると、別の派生型がランダムに選ばれます。実際の作曲も、1つの音列から色々な派生型につないでいくことによって、いろいろな響きを作り出していきます。

なお、このスクリプトはあくまでお遊び用として作っていますので、セッティングの保存機能は省略しています(nkiファイルを別保存しても、ロードするたびに最初に戻る)。また、派生型がランダムで選ばれる使用上、MIDIレコーディングしても同じ演奏を再現することはできず、プレイバックのたびに違う音になりますのでご注意ください。

使用例

このスクリプトをもとに、実際に鍵盤を鳴らして十二音音楽を奏でてみました。

これだけで何かのBGMに(ホラー映画?)使えそうな雰囲気だと思いませんか?こんな風に、理詰めである程度それらしい曲が作れてしまうのが十二音技法の面白いところです。

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