オーケストラ・室内楽の制作(DTM)あれこれ

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サンプルライブラリー

Spitfire Chamber Stringsの試聴サンプル(レガート)を作りました

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楽器のサンプルライブラリーを買うとき一番心配になるのが、「きちんとフレーズを歌わせられるか」ということです。最近のオーケストラ音源はレガートによる音の切り替わりを収録するのがほぼ必須となっていますが、この際の挙動やタイムラグは音源ごとに異なり、購入してから「イメージと違って、思い通りにフレーズを打ち込めない」という話をよく聞きます。

今回は手持ちのSpitfire Chamber Strings(以下SCS)を使って、レガートの試聴動画を作ってみましたので、ぜひご覧ください。後半がムード歌謡みたいになってしまったメロディラインですが、「旋律を歌わせるとどう聞こえるか」のイメージがうまく伝われば幸いです。

SCSは1st Vnがたった4人というかなりの小編成ですが、たっぷりアンビエンスを含んだサンプルのためか意外にスケール感が大きく聞こえると思います。

SCSには“Legato Performance”というパッチがあり、色々なレガートサンプルを自動で切り替えてくれます。

  • 通常のレガート(Slur)
  • 弱いベロシティでPortament
  • 強いベロシティでBowed(弓の切り返し)
  • 速いパッセージではFast, Runs

別パッチになりますがレガートの種類はこれだけではなく、Spitfireの弦ライブラリでは一番豊富なようです。最近リリースされたドライな音のStudio Stringsは、レガートについてはスラーとポルタメントだけの収録ということになるのかな?だとするとちょっと寂しいですね。

なお、弓のアップ・ダウンが切り替わるところ、つまり楽譜でスラーの途切れるところでは基本的に “Bowed”のレガートを使っていますが、つながりが不自然になることもよくあり、この場合は通常のスラーの音のままです。

対応力は高め

動画内の注釈にある通り、ノートオン位置の調整は行なっておりません。SpitfireのChamberはレガートの遅延が少ないので、ジャストタイミングで打ち込んでもそれほど違和感なく鳴ってくれます(楽器ごとにレガートの反応速度は微妙に異なります)。早いパッセージもほぼ問題なしです。

現在では、レガートで発音タイミングが遅れる音源の方が主流でしょうから、ほんの少しの調整で済むSCSは圧倒的に打ち込みしやすいのではないかと思います。

以前、8dioがAgitato Sordinoをたった18ドルで投げ売りしており買ってみたのです。ベロシティによってレガートの速度が切り替わるのですが、一番速いものでもかなり遅延があり、なかなか打ち込みにくいものでした(ただし音は極上。正直なところ弦楽器は8dioのサンプルが一番自分の好みに合っています)。

ちなみに、Spitfireのレガートなら全て使いやすいかというとそうでもなく、後で個別に記事を書く予定ですが、中にはこんなものもあるのです:

  • ソロオーボエ(Symphonic Woodwinds)のレガート……切り替わり時に音が2つ重なって聞こえる。クローズマイクを多めに混ぜれば多少マシに
  • ソロヴィオラ・ソロチェロ(Solo Strings)のレガート……レガートの遅延多めの上に、タイミングが音の高さによってバラバラ。鍵盤で試奏した時点では違和感を持ちませんでしたが、打ち込みはなかなか大変です。速いパッセージも向いていません。

SCS唯一のデメリットは、第2Vnが使いにくいこと

今回の投稿はレガートに的を絞りましたが、実はそれ以外のところで2nd Vnがちょっと使いにくいのです。

  • サスティンは強く弾いてもアタックが弱いまま。第1の方はベロシティを高くするとMarcato Attackの音がブレンドされる仕様だが、それがない。
  • スタッカートの音が短すぎる。1stと音の長さが違いすぎて違和感があります。ただしフレーズによってはスピッカートで代用可能です。

この辺りは多少面倒ですが音を重ねてカバーすればほぼ問題なし。それを除くと奏法も充実しており汎用性も高い音源ではないでしょうか。

私の最新作のピアノ協奏曲でもSCSをメインに使っております。“Chamber”といっても、フルオケ用途で意外に使い出のあるサンプルです。 

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