オーケストラ・室内楽の制作(DTM)あれこれ

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クラシック

ピアノ協奏曲の難易度、勝手にランク付け

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先日ピアノ協奏曲を完成させましたが、ふと思いついたのが「有名なピアノ協奏曲の難易度って、どうなっているんだろう」ということ。ピアノ独奏曲については偏差値をつけるなど色々話題にされているところですが、一流プレイヤーでないと協奏曲の演奏機会なんかは滅多にないだろうし、あまりランキング表のようなものは見たことありませんよね。

でも、コンチェルトというのは名人芸(ゔぃるとぅおーじてぃ?)を発揮する格好の場なわけだから、聴く側としてもある程度難易度がわかれば面白いのではないかと。そこで、ここはランキングを自分で作ってみようと思いたち、代表的なコンチェルトの楽譜を譜読みしつつ偏差値のような形でまとめてみました。

ピアノ独奏曲は、5chの偏差値ランキングでは

  • 50……子犬のワルツ、トルコ行進曲
  • 60……黒鍵・革命のエチュード、月光ソナタ3楽章
  • 70……ハンマークラヴィーア1楽章、ショパン前奏曲の8, 16, 24番
  • 82……鬼火・スカルボ・イスラメイ

という感じの評価でしたので、これを参考に数字をつけてみます。

もちろん、ピアノ技巧の「難しさ」にも色々ベクトルがありますし(跳躍、指回り、ポリフォニックな処理……)、芸術的表現などは評価不可能なためものすごく乱暴なまとめ方ですが、一つのお遊びとして気楽に捉えていただければと思います。

対象は古典~近代で、演奏機会の比較的高い作品をピックアップ。ただ、メンデルスゾーンやサン=サーンスを1曲も入れなかったのに、ラフマニノフはあまり演奏されない4番まで取り上げましたので、選曲がちょっと偏っているかもしれません。

ランキング発表前に

せっかくですから、私のピアノ協奏曲もお聴きください(動画を再生すると譜面も見られます)。今回のランク表だと58~60あたりかな?

それでは、いよいよ発表です。

偏差値70〜

76 ラフマニノフ3番

頂点はやはりこれ。技巧を見せつけるためではなく、音楽的欲求から生まれた綿密なピアノ書法。音の洪水に埋もれずにメロディーを浮かび上がらせ、ピアノという音の減衰する楽器でいかに息の長いフレーズを歌わせられるかが勝負です。

75 バルトーク2番

旋法的で親しみやすいメロディー、野生的なリズム感、いかにもバルトークです。手が小さければ難易度はプラス3、というか門前払い状態。

74 プロコフィエフ1番

フレッシュで時代を先取りする作風。この人やバルトークはピアノの取り扱いが打楽器的・サーカス技的で、ラフマニノフの難しさと方向性が正反対です。

73 プロコフィエフ2番、ラフマニノフ4番

プロコ2番は1楽章カデンツァがカタストロフィックで格好いいけれど、音のテクスチャーが薄くあまり洗練された書法とは言えない気がします。

ラフマニノフ4番は渡米後の作品ですから、特に3楽章はすっかりアメリカ色に染まったユーモラスで華々しいサウンドに。1楽章の難易度はマイナス2くらいかも?

72 スクリャービン、ラフマニノフ・パガニーニ狂詩曲

スクリャービンの初期は、とてもロマンチックでショパン的ですが、オクターブ連打など「左手のコサック」らしい動きも随所に。

71 ブラームス2番、プロコフィエフ3番、ラフマニノフ1番

ブラームスについては「超難曲」などとされがちですが、このあたりが妥当なラインだと思います。3度の重音でさらっと音階を弾かせるなど、さりげなく意地悪なのがブラームス。

プロコ3番は「越後獅子」のエピソードを取り上げるまでもなく日本人好みの快活さ・キレの良さがあります。ラストのグリッサンドのように聞こえるフレーズはグリッサンドではなく、指1本につき2音ずつ白鍵を押さえて、アルペジオのように手首を回転させて弾きます。

70 ショパン2番、ラフマニノフ2番、ラヴェル左手

ショパンのコンチェルトはピアノのワンマンショーなので好みは分かれるかも。比較的初期の作品ですが、1楽章左手の柔軟性がバラード4番やソナタ3番など後期を思わせる円熟味を持っています。

ラフマニノフ2番は、この曲でラフマニノフを知ったという方も多いのではないでしょうか。1番(改訂版)より難易度は微妙に下がりますが、チャイコフスキーの面影を残す1番に比べ独創性ではこちらが上。一方でピアノ書法は3番ほど濃密ではなく、あっさりしている箇所も。

ラヴェルの左手は、手が小さければ+2ほどアップ。メロディーを歌わせる箇所では、広い音域を忙しく移動する中しっかりと左手親指で旋律を拾っていかなければいけません。しかし、片手なので「スカルボ」のように手の交差・ぶつかりの問題は生じませんし、難所でテンポルバートをきかせやすい曲調なので難易度は少し低めの評価に。

偏差値60〜

69 リスト1番、チャイコフスキー1番

超絶技巧といえばリストというイメージですが、冒頭の跳躍オクターブ以外は良識的な書き方をしています。

チャイコフスキーは超人気曲。冒頭の壮大なメロディが、その後もう2度と出てこないということで変に有名だったりします。1楽章展開部や3楽章コーダ前の激しいオクターブはちょっと力技的ですね。ラフマニノフやブゾーニだったらもっと上手く脱力できるように書いたと思います。

68 ショパン1番

ショパンの奏法カタログ。色々な技巧が凝縮されています。

67 バルトーク3番

難易度では2番とだいぶ開きがあり、1楽章に音域の広いアルペジオがある以外難所はほぼなし。3楽章でフーガ的に音が重なっていく場面はワクワクします。大好き。

65 ブラームス1番

手が小さければ+3。ブラームス特有の手を大きく広げるトリルがきつい。

63 シューマン

似た音型が多いので(この辺りはショパン1番と対極です)、聞いた感じの華やかさより難易度は低め。シューマンは独奏曲の方にもっと難しい曲がたくさんあるような気がします。

62 グリーグ

冒頭があまりにも有名(アニメやドラマなんかのショッキングなシーンで流れるアレ)です。3楽章コーダだけ+2上乗せしたいところ。

61 ラヴェル(両手)

ブルーノートスケールやスペイン的なフリギア旋法など、斬新な響きが随所に。茶目っ気たっぷりのお祭りのような楽しい作品です。「ゴジラ」の旋律のインスピレーションはここから?難易度はピアノよりオケ、特に木管楽器が難しそう。

偏差値50〜

59 ベートーヴェン5番(皇帝)

ベートーヴェンのコンチェルトは、オーケストラを上手く活かすようにソロパートは簡潔に書かれることが多いです。そのため、重厚なポリフォニーで書かれた後期ピアノソナタの方が難易度は格段に上。

58 モーツァルト21番、ベートーヴェン3, 4番

ベートーヴェン4番は、古典派の協奏曲の中ではイレギュラーでピアノ独奏から始まります。個人的な注目ポイントは、3楽章がいきなり主調ではなくハ長調(下属調)で始まるというフェイントをかけているところ。

57 モーツァルト20番

オクターブ奏法が多く、当時の作品としては珍しくかなりパッションを感じる作品。ブラームス1番、ラフマニノフ3番と合わせて「ニ短調ピアノ協奏曲の3台巨頭」と勝手に呼んでいます。

56 モーツァルト23番

モーツァルトは、特に演奏機会の多い3曲を選びました。この曲が一番難易度としては平易ですが、技巧的にひねくれたところがない優良作でもあるということです。

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